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ゆきがや便り(第九話) Back Number

劇場の楽しみ  2004.5.25

台風の通りすぎた快晴の午後、池袋の東京芸術劇場小ホールで同級生の参加する劇団の公演を観に出かけました。芸術劇場は電車の駅から地下道でつながっていて、外に出なくても劇場に行ける便利な空間です。お芝居のはねたあと、駅への帰り道にある夜遅くまで開いているカフェで、観劇後の豊かなひとときをすごすこともできます。気軽に、身近に劇が観られる、日本にはそんな場所がもチャンスも少ないので、公の施設が整備されることはとてもうれしいことです。

友人は劇団で脚本家と監督をやっています。彼の作品の上演は3作目になります。舞台設定は現代、また昔の日本、と変わってもストーリーに流れるものはいつも同じ、抜けてるヤツ、ダメサラり−マン、うそつきおばあさん、どこにでもいる普通の人が一生懸命生きている、そんな人たちへの応援歌のように聞こえます。大人になると気恥ずかしくて思い切り泣けないけれど、このお芝居をみたあとはいつも目がしょぼしょぼします。

小さな劇団のよさは、息づかいがきこえるほど身近に、劇の世界を体験できることと、数回通えば同じ俳優さんが別の役柄で再登場し、まるで顔見知りの友達の日常を見るように身近に感じられるということしょう。次回の公演は11月なので今から楽しみにしています。

小学生だった頃、大家族だった私は珍しく母と2人きりで渋谷のデパートにあった劇場へ行きました。子供には難しいストーリーでしたが、母と2人きりでお芝居を観るというのもめったにない機会でしたし、それが「子供向け」のものではなかったことが、母に大人扱いしてもらえたようでうれしかったことをおぼえています。のちに旧西ドイツに行ったらその芝居の舞台になった大学街がほんとうにあり、これもまたうれしい思い出になりました。観劇にはできるだけ娘も同伴するのは、私の体験からきています。

Sachi

 

 
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